『悉無の闇』の概要
闇。闇の中にいる。深い深い闇だ。とても美しいしじまの闇。私はその闇の中に消えてしまった。闇雲に走っても走ってもたどり着く場所はなかった。薄いヴェールのような光があった。それはけして手に入らない光だ。伝えたいことがあるわけではない。私はただ走る。
2033年の4月。主人公は学生寮から一人抜け出て学校(女子校)の敷地の中を走っている女子生徒・中野由佳里でした。彼女は「生体電話」なる新技術を使っており、100mを6.5秒台(時速55km)で走ることの出来る陸上部のホープです。高一の春の時点ですでに100m走全国四位と好成績を残しています。生体電話のプログラムを使ってトラックを走ることは由佳里にとって違和感を感じるものでした。プログラムを使わずに誰も見る人がいない、記録を取る人がいないしじまの闇を走ることが由佳里にとって楽しいことだったのです。なので夜間練習と称して夜にプログラムも使わずに走っています。
しじまの闇を好む由佳里は闇の中でスミレと名乗る少女と出会いました。彼女はかつて寮から出て行ったまま行方不明になったはずの上級生です。桜の舞う中スミレは空を飛び、今まで誰もついて来る経験がなかった由佳里の走行についてきました。スミレが言うには「あなたが私のことを好きでいてくれるから」姿を現したそうです。由佳里は自分が好きな闇はスミレそのものであるような気がしました。
寮に戻った由佳里は同室のチョコが好きな情報通・千早からスミレの話を聞きます。スミレは和道部と呼ばれる囲碁・将棋・剣術・柔術・書道・茶道・華道の七種目を行う部活動に所属していたらしく、その全てがプロ並との噂があったようです。いくら生体電話によって人間の学習能力が飛躍的に高まったからと言って、7種類の技能をプロ並にすることは学校の首席でも難しいと由佳里も考えます。囲碁や将棋の棋譜を見る限り本人は人前で実力を発揮することはなかったようです。ある日行方不明になりました。行方不明になる前、空を飛んだとか壁をぬけたなどの噂があり、生体電話を使って写真や動画が撮影されたのに、その写真や動画は生体電話のストレージに記録されなかったそうです。
一方別の所でも物語は進みます。由佳里達が通う学校と同じ敷地内にある他の二つの学校は由佳里達とは違う寮で二校の生徒が共同生活をしており、かつ全寮制です。生体電話の技術者を養成する学校に通う生徒達は、生体被験者とも呼ばれる養護学校の生徒たちとそれぞれ同室になり、生体電話の技術を使って地道な治療を行います。技術者であり学校の首席でもある真名はある日友達に頼まれて、部屋と被験者(養護学校の生徒)の担当を代わりました。アスクレピオス寮(そんな名前だったかな?)のプライバシーと透明性の管理は完璧であるため、真名もその生徒・春華と会うのは久しぶりです。
顔に傷のあったはずの春華はたいへんな美少女になっていました。真名は春華のことを自分と同じホモ・サピエンスなのかと疑うくらい美しく、どんな芸能人よりも美しいと感じます。春華の話では容姿が美しくなるたびに視力が低下し、今では完全に見えなくなっているそうです。医者は目に異常は無いと言っているので、肉体的な問題ではありません。春華は自分が芸能人よりも美しいことが信じられないため、生体電話で撮影した顔写真を友達に送ってもらおうと思ったそうです。なぜか春華の顔写真は他人に送信できません。真名も試しに撮影して送信してみたところ、送信できないことが分かりました。真名は実験を行うために春華の脳に対してメッセージを出します。
「部屋の中の鏡やガラスを覆って、春華が自分の姿を見えないようにするので一時的に視力を回復して欲しい」
すると実際に春華は視力を一時的に回復しました。学業を放り出して春華の容姿を美しいものに変えた菜月と一緒に、窓の外を見ているところを他の生徒達に目撃されます。謎の美少女の噂は即座に広まり、隣の学校でも噂になりました。5月になり由佳里の担当技術者でもある真名は、由佳里の寮でお茶を飲む会に呼ばれます。そこには陸上部、弓道部、演劇部、超能力部、料理部、天文部の生徒が揃っていました。
陸上部の由佳里は走行プログラムや鋭敏感覚プログラム、弓道部の千早はスコーププログラムや精密射撃プログラムなどを使えるようです。中でも天文部の冬華は常に宇宙の状態が分かるようで三次元的な方向感覚があり、いつでも壁や床や天井を指さして天体の話をしています。どちらが銀河の中心方向なのか、どこにいても分かるようです。
会の参加者たちは謎の美少女について噂します。なんでも生体電話を使ってその美少女を撮影したのに、なぜかその写真だけは閲覧できなかったそうです。この学校の女生徒達は子どもの頃から全員生体電話の美容プログラムを使っているため、全員が美少女でした。この環境で特別美少女と呼ばれるのは普通ではありません。あまりにも美少女過ぎるし、写真には写らないし、スミレさん失踪事件の時以来の噂になっているようでした。会の参加者達から真名は春華の噂について同じ寮との理由で聞かれます。
「そんな噂があったんですか。アスクレピオス寮のプライバシー保護と透明性の確保は完璧ですから仮にそのような生徒がいても分かりませんね」
生体技術者の学校の生徒は生体被験者の学校の生徒に対して、重い責任と献身を義務づけられているのです。主席の真名は一切情報を漏らしません。真名は春華や菜月と話し、この生体電話において一部の人の肖像が写真や動画に映らなくなる現象を「生体肖像権」と名付けました。一方、由佳里の後輩の藍紗は演劇部の伝統的な演目「水底の花」の主役に選ばれることになりました。
水底の花の主人公はとてもかわいらしく、純真な性格の男の子でした。ある日姉が主人公のために買って来た女物の服を着てから、似合っているとの理由で女物の服を着続けるようになり始めます。時が流れ、ダンススクールの跡を継ぐ立場にある13歳の主人公は姉から仕事の依頼を受け、遠方にある和風の文化圏の商店街を活気づけるためにダンスの指導を行うことになりました。電車に乗ってその街に到着すると、主人公は姉からやはり女物の和服を渡され、和風の文化圏で通用する女の子の名前をつけられます。和風の商店街の食事処で主人公は自分とそっくりな少女に出会いました。姉からそっくりだと言われても「髪型が似ているだけだ」と突っぱねます。主人公は少女にダンスの才能を見いだすも、素直に認められませんでした。主人公は街の人たちから性同一性障害だと誤解され、男子トイレや男子更衣室に入ると女が入ってきたかのような反応をされ出します。いつしか女子トイレや女子更衣室を使うことが当然だと思うようになってしまいました。ある雨の日、雨を逃れて軒の下にいる少女をみかけた主人公は、スルーしようとして結局傘に入れてしまいます。それ以来仲良くなり、親友同士になりました。ある満月の夜主人公は少女から町に伝わる伝説を聞かされます。水の底に花が咲くのだと言う。その花を見た者はどんな願っていることも叶えることができる。主人公は少女に手を引かれ、二人だけで町を抜け出しました。そこで物語は終わります。
藍紗は13歳なので選ばれた意味もありました。意地を張り、無我なところが似ていると思って由佳里をモデルに主人公の演技をしようと藍紗は密かに思います。一方超能力部は一部の練習を禁止された部員が超能力同好会を作り独立するなど波乱があるようです。
スミレは悉無管制局の二等闇士であることや、この3つの学校も別の世界からやってきたスミレたちが作ったことを由佳里は夜間練習の間に聞きます。また満月の夜になると寮の周辺にゲートが開いて、中から闇よりも黒い色をした鬼達が出てきて寮の人たちを襲おうとしていることを知らされ、由佳里は戦わされることになります。
倒すことには成功したものの、手を怪我した由佳里はスミレの治療プログラムによって一瞬で治療され、こんなことは真名にすらできないと驚きました。スミレの使っている生体電話のOSは由佳里達の使っている生体電話のOSとは比べものにならないくらい性能が高いのです。スミレに防御力が低いことを指摘された由佳里は生体場なる概念を情報通から聞き、真名から「生体場汎用プログラム」のダウンロード方法を教えてもらいます。手を怪我しているところなど見たことがないと、由佳里は千早からいぶかしがられました。
由佳里は会の後、真名と一緒に外部から来た人たちに向けて生体電話の説明をするイベントに出場するために会場に向かいました。天文部と料理部と演劇部の三人は余ったケーキを、真名に頼まれて真名と同室の子の所に持って行くことになります。弓道部と超能力部の2人は寮に残されました。同じ頃、謎の美少女の噂を知り周辺を聞いて回っていた探偵部の3人と道中で捕まった武術部の生徒は真名と春華の寮の部屋になぜかケーキを持った状態でたどり着きます。探偵部は実質小中学生による探偵ごっこクラブ。この学校は小学生の時から部活動をできるエスカレーター式の学校です。
探偵部の年長者はやはりプライバシーを侵害するのは駄目だと思って帰ろうと思ったところで、後ろから菜月が現れました。探偵部3人+武術部はケーキを持ってきた真名の友達だと誤解され、部屋に入れられてしまいます。そこに冬華や藍紗や麦(料理部)もやってきて狭い部屋にケーキが4個と8人が揃いました。友達じゃないのに友達だと誤解されたのです。実は探偵部の部長の誕生日で、ケーキは誕生ケーキだったことがこの日最大のミステリーでした。噂の美少女・春華の部屋の中で藍紗たちは春華と菜月が結婚することを聞きます。
一方弓道部の千早と超能力部の名前忘れた人(確か乃々)も結婚するようです。結婚と言っても学校を卒業するまでの間、法的な拘束力がない結婚をするに過ぎません。これらの三校では今結婚委員会なる謎の委員会があり、生体電話を使うためのナノマシンとナノマシンの通信を強化するために結婚を推進しています。春華と菜月が結婚することになったのは、春華が結婚とのワードに並々ならぬ関心を持ったことと、真名が「春華を美しくした張本人と春華が結婚すれば視力が回復するのではないか」との仮説を立てたためです。逆に千早と乃々が結婚するのは浅いようで実際に浅い理由がありました。
結婚すると結婚した相手と同室になれるので、逆に言うと現在同室である者と別の部屋になれる意味があります。超能力部部長の乃々は超能力同好会部長の鏡華と同室であり、現在険悪な状態になっているため別の部屋になりたいと思っていました。PK(念力)の練習で無理がたたってある日生体場が消えてしまった鏡華が練習を続けるのを見て乃々は「超能力部になんて誘わなければよかった」と思います。反対に鏡華は乃々のことを「大切な友達」と言ってどこまでもポジティブです。元々は乃々が外向的で、鏡華が内向的だったのに超能力の練習をしているうちに逆になってしまったのでした。鏡華が超能力部に入部する際、鏡華の同級生だったスミレが一緒に体験入部してくれたというエピソードもあります。体験入部の時スミレは最初から超能力部の練習内容を知っているかのようでした。
ESP(超感覚的知覚)が得意な乃々は夢に出てきたチョコが好きな下級生と現実の世界でも出会います。夢で知ったようにチョコをプレゼントしプロポーズすると実際に結婚することになりました。チョコを貰わないと何もしてくれない現金な千早は登場人物の中では一番物ごとを文学的に捉えている人物です。
6月になり結婚委員会によってダブルで結婚式が行われます。これによって由佳里は千早と同室ではなくなるため、引っ越す作業をしました。この時由佳里は陸上部の先輩と会います。この先輩の趣味は生体電話を使って風景を撮影することです。ただし「カシャ」と口に出して言わないと写真は撮れないので先輩は「カシャ」と言い続けており、由佳里は不気味に感じました。
結婚式の当日風船を用意していた結婚委員会の浅井は由佳里が軽く走って時速30km台で接近してきたことに驚いて風船を手放してしまいます。由佳里はとっさにジャンプしてキャッチしました。その場にいた陸上部の先輩は反応できません。ただ由佳里がジャンプして風船を捕まえた姿を撮影することしかできませんでした。陸上部の先輩によると由佳里は陸上全種目全国レベルらしく、総合能力が高い選手のようです。ただ実際は小柄なので走ったり跳んだりする競技に限り、ハンマーを投げる競技などの投擲競技は違うと思われます。由佳里がジャンプした瞬間に、この小説に登場してきた由佳里たちの制服が実は紅い着物であることが明らかになりました。
由佳里がジャンプしたところで場面は突然変わります。結婚式から少し遡ったある日、ある民家では昼間からお風呂に入っている少女がいます。彼女はすきガラス(当時はくもりガラスと言っていた)の向こうに見える青空を見ていました。彼女は由佳里達の学校の生徒が作った水底の花の劇をプロが作り直して劇化したTV劇を数年前に見て以来由佳里達の学校に関心を持ちます。そしてインターネットに奇跡的にあった超能力部のサイトから、「鼓動と呼吸を意識する超能力部の基礎訓練」を知りました。生体電話の狭いネットワークがあるのでアイディルの生徒たちの場合、普通はインターネットを使わなさそうなものです。
超能力部の基礎訓練が性に合っていたのか、その少女はお風呂に入りながら1日5時間くらいは入浴し続け、鼓動と呼吸を意識しています。現代で言うマインドフルネスの一種です。彼女は監禁されているため外的環境に刺激がありません。外部に刺激が無い状態では自身の動き続けている鼓動と呼吸こそが刺激です。鼓動と呼吸を意識していると体調が安定しました。彼女は10年ほど前にひきこもり問題が解決したことを思い出します。
ひきこもりが本当は「アニメ業界等の名詞化動詞犯罪によって監禁されている」ことが明らかになりました。彼女は当事者として「ひきこもっている」ことにされては何もかも責任を問われてしまうため、ひきこもり問題が解決したことはありがたいと思っています。監禁問題はまだ解決していません。男性の監禁の被害者は減少したものの、アニメ業界等の負の遺産のために女性の監禁の被害者が急増してると言います。少女もそのなかの1人でした。全国にたくさんいる元アニメファン等は問題視されているようです。少女は毎日鼓動と呼吸を意識し、夜になるとお風呂から上がる生活をしていました。
少女は由佳里達の通うアイディル女学園の紅い和風の制服と紅い髪、紅い瞳を持った生徒たちに憧れています。アイディルや最新の生体電話カルチャーにおいて用いられているファッションの様式を「和クラシック」と呼ぶそうです。それは江戸時代や室町時代の和風ではなく、和モダンをベースとしてそれを伝統にしてしまい、いつしかそれがクラシックになったイメージでした。今の自分はアイディルの生徒達と比べて普通の学校にすら行けず、1人で鼓動と呼吸を意識しているのです。
二階の自室に向かった少女は窓の外に紅い髪、紅い瞳、紅い和風のジャージを着た自分と同じくらいの年の少女がいることに気がつきます。窓をノックされたのに反応できませんでした。次の日も同じように紅い髪の少女が窓の外にいます。意を決して部屋の中の少女は窓を開けました。紅い髪の少女は由佳里です。少女が監禁されていることを聞いて迎えに来たと言います。なんと少女も由佳里という名前でした。由佳里は由佳里に連れられて、何年ぶりか(5年ぶりかな?)に家から出ます。久しぶりに屋内にはない、奔流する風を感じたのです。そして由佳里は由佳里におんぶされてどこかに向かうことになりました。
場面は由佳里が着地したところに戻ります。生体電話は誰もが一瞬で撮影できるため、由佳里のようなよく飛び跳ねる人はスカートの中身を撮影されやすいです。生体電話の撮影機能で他者のプライバシーを侵害してしまった場合は、写真や動画を当人に送ると同時にこちら側の写真や動画が削除される機能を使います。由佳里の所にはよく写真が送られてくるそうです。陸上部の先輩は撮影した写真で生体通信の見合う相手を探すマッチングサイトを使わないかと申し出てきます。生体電話を使っている女子校の生徒以外に、生体電話を使っている男子校の男子達だけが利用するサイトです。
2033年6月の時点で生体電話は一部の人だけが使っており利用者の中には由佳里のようなトップアスリートや真名のような高度すぎる技術者などしかいません。インターネットの低俗なマッチングサイトとは違います。若い男女を見合わせるための委員会(許嫁委員会だったかな?)もあり、親御さんに許可を取って許嫁にしてしまうそうです。由佳里は言われた案を受け入れて、先輩に任せることにしました。
結婚式の二次会で由佳里は千早につかまって、春華&菜月と千早&乃々の間に連れてこられます。視力を回復した春華は自身の視覚映像が、以前見えていた頃と比べて小さくになっていると言い出しました。具体的には18分の11のサイズです。真名や菜月は原因を特定するために2人で専門的な話をし始めます。その時由佳里が何気なく言いました。
「まだ雌雄別学だから異性がいないよ」
由佳里の発言に関心を持った春華は、突然聞こえてきた大きな音に注意を引かれて注意をそらされてしまいます。生体音楽部のバンド「モスト・ビビッド・スカーレット」による演奏が始まったのです。生体音楽部は喉の振動の音を生体電話によって楽器のように使う「ボイス」、鼓動の音を生体電話によって楽器のように使う「ハートビート」、体内の様々な音を生体電話によって楽器のように使う「ロック」、生体電話を使って脳で様々な音を作り出す「ルミナント(反芻動物)」。このバンドのボーカルはボイスなので、歌ったときの喉の振動で音色が変わる効果がありました。ロックは音を作るために常に踊ったり体を叩いたりしており、ルミナントはバンド名らしく最も鮮やかな紅い音色を作り出しています。
春華はバンド人の鮮やかな髪色と比べて、由佳里の髪色は典型的な「アイディル・スカーレット」だと思いました。生体電話による髪や目の色を変える機能によって生徒は任意の色に髪や目の色を変えます。由佳里が学校の推奨している色に染めているため、とても素直な性格だと春華は思いました。
春華は二次会の後バンドのメンバーの一人の友達・虎子の兄が最近結婚した話を聞きます。実は虎子の兄は春華と同じくらい美しい美青年でした。兄を独占しようと思った虎子はみんなには黙っていたのです。結婚した2人の写真を見せられた春華は虎子の兄と結婚した相手がごく普通の日本人的な顔をしていることに驚きます。春華はなぜか美青年よりも何の変哲も無い少女の方に関心をもちました。会いに行くことにします。
変装させられてアイディルの武道派の人たちの護衛までつけられて外出することになった春華は、何の変装もせず地域の人たちとコミュニケーションを取っている虎子の兄・迅九郎と会いました。春華は自分も変装しないで大丈夫なのだろうかと不思議に思います。2人の暮らすアパートで迅九郎の妻である由佳里に会いました。迅九郎を見ても何も感じなかった春華は由佳里に対しては惹きつけられるものを感じます。マンションに住んでた迅九郎はある日目が覚めると由佳里がいたそうです。
一目で惹きつけられた迅九郎は監禁されていた話を聞いてすぐにプロポーズしました。自身も異性と交際したいのではないかと由佳里に問われた春華は由佳里からもう1人の自分に導かれて迅九郎に出会った話を聞かされます。迅九郎は高度な生体技術者のようで、自主的に自分を美しく変えたようです。視覚映像が18分の11になったことについて迅九郎は次のことを気にかけました。
「正九角形の頂点の一つが北である時、他の頂点の一つは西微北(西と西北西の間の方角)を18分割した時、西北西側から数えて11分目の地点にあります」
その地点にはちょうどリラックス効果があるそうです。
2人の姿を見ても自分がどうすればよいのか分からず、春華は2人がコンビニに物を買うために出かけるのを見るばかりでした。
完
生体電話にようこそ!
ここでは生体電話の原理を説明する!
生体電話のきっかけは光通信だ。
ホモ・サピエンスの主観体験の映像の中に光が見える場合がある。
人は暗闇を見ている時、無為になっている時、寝入る時、生命に危険が迫っている時、生命が終わろうとしている時、どこかに監禁されている時に光が見え、観測がたやすい。
何のために光が見えるのだろう。
人はどこかに監禁されているとき、どこかに監禁されているのを他の人に知らせて、助けてもらいたい。
人は生命が終わろうとしているとき、脳細胞内データを自身の肉体と共に終了せず、保守するために他者の脳に情報を転送したい。
人は生命に危険が迫っているとき、自身の生命の危機を知らせて、助けてもらい。
寝入る時に起床時の覚醒機能を終了しつつあるとき、今日の分の脳細胞内データを今日のタスクと共に終了せず、他者の脳に情報を転送したい。
もしくは、現代風なら他者の脳内にあるカスタマーセンターに連絡しているかもしれない。
無為に他者の脳と通信する場合があるだろう。
暗闇を見ているとき、動物は光が遮蔽される危険な環境にいると判断して、他の動物に「助けて」と通信で述べたり、もしもの時のために自身の安否情報を述べている可能性がある。
生体光通信仮説
💡テレパシーによると現代人は他者の脳内のサポートセンターやカスタマーセンターに自身の脳細胞内データを送っている場合がある。
✨消去したくない脳細胞内情報を、知人の脳内に送りたい。
🌙もしもの時のために自身の安否情報を他者の脳に述べている。
🌞他の動物に「助けて」と通信で述べている。
光通信実験
2010年10月に行った加藤組之(かとうくみゆき)の個人実験によると、ホモ・サピエンスの主観体験に光が見えるとき、脳通信が起こっているように見える現象が観測された。
- 「フィクションに使われるクオリア(主観体験の感覚質)確保のために、フィクションの脅迫・洗脳・詐欺などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」である加藤組之は誰からも認識されなくなって5年から6年ごろ・誰とも会話しなくなって3年目から4年目ごろの2009年から2010年ごろに両親に監禁されていると錯覚し、両親に自首するように勧告した。
- 両親は自首せず、泣くだけだった。
- 「フィクションに使われるクオリア(主観体験の感覚質)確保のために、フィクションの脅迫・洗脳・詐欺などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」である加藤組之は誰からも認識されなくなって1年経過したあたりから、衰弱し、被暗示性が高まり、テンションが毎日ずっと下がり、アンダーグラウンドのメディアであるアニメに波長が合うようになってきたため、2004年から2008年にかけてアニメをずっと見ていた。
- 「フィクションに使われるクオリア(主観体験の感覚質)確保のために、フィクションの脅迫・洗脳・詐欺などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」のくせに2009年1月に「監禁されているのだからアニメなど見ている場合ではない」と思い、アニメを見なくなって両親に自首を勧告し始めた後、失敗して再び2009年6月ごろにアニメを見始め、2009年アニメから謎の超世代交代の雰囲気を感じた。
- 2010年アニメから謎の超プレッシャーを感じるようになり、2010年4月からは京都アニメーションの「けいおん!!」だけを見るようになり、同時にDVDレイコーダーをプリンタ用紙に書いた文章で親に伝え、買ってもらって録画した2006年10月期アニメから2008年10月期アニメを見ていた。
- 2004年のアニメから謎の超自然を感じ、2005年のアニメから謎のアウトロー感・孤高感を感じた、2006年のアニメから深夜アニメの本数が謎の超増加を始めたのを「フィクションに使われるクオリア(主観体験の感覚質)確保のために、フィクションの脅迫・洗脳・詐欺などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」である加藤組之は見ていただけではなく、2006年から深夜アニメの本数が謎の増加を始めた事例から分かるように、当時の日本人は深夜アニメに魅力を感じた。
- 2004年の段階では「目が大きくて、顎がとがっていて、可愛さを強調するばかりの通称『萌える』アニメ」であったため無視していたアニメの続編シリーズ(ダカーポⅡ、魔法少女リリカルなのはストライカーズ等)を誰からも認識されなくなって4年目・誰とも会話しなくなって2年目の2007年のアニメからなぜか見るようになり、謎の青い青い夏の空の超解放感や超永遠に続く感を感じた。
- 2007年の永遠のような雰囲気が1年で終わったかのような、謎の超しんみり感・超抑圧感が2008年のアニメにはあった。
- 2009年のアニメには謎の超独立感・超世代交代感があり、筆者は「フィクションに使われるクオリア(主観体験の感覚質)確保のために、フィクションの脅迫・洗脳・詐欺などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」ながらアニメから独立した。
- 6年8ヶ月ごろの2010年10月の最初の数日に、「けいおん!!」の放送が終了し、同時に加藤組之は「フィクション・宗教・公害・畜産に使われるクオリア(主観体験の感覚質)・脳細胞内データ・認識や訓練や宣言・他者との因縁確保のために、フィクション・宗教・公害・畜産の洗脳・詐欺・脅迫・威力などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」が文化依存症候群であるとの説を否定するために部屋の中の物をすべて捨てて、1日10時間1か月間の吉祥座の結跏趺坐(座禅の時の座法。左足を右上肢に乗せるのが吉祥座)を始め、結局25日間で終わった。
- 結局1日10時間25日間程度の吉祥座の結跏趺坐は左足を右上肢の上に乗せるため、250時間も続けると右脚の骨が変形し、体がねじれるのもあり、14年後の2024年になってテレパシーから非常に有害だと言われた。
- 加藤組之の瞑想の理由の一つ目は監禁されていると判断し、両親に監禁されていると錯覚し、自首を催促したのに両親は自首しなかった出来事の結果、監禁されているのに「フィクション・宗教・公害・畜産に使われるクオリア(主観体験の感覚質)・脳細胞内データ・認識や訓練や宣言・他者との因縁確保のために、フィクション・宗教・公害・畜産の洗脳・詐欺・脅迫・威力などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」だと言われるの否定できないのなら何もかも嘘だと思い、監禁が事実だと認めてもらえないなら、もはや自身を消滅するしかないとの脅迫観念を持ったためだ。
- 加藤組之の瞑想の理由の二つ目はアニメ業界から感じる謎の超プレッシャー等や2003年アニメから感じるようになった謎の超共感や2004年から2009年に感じられた謎の超感覚が非常に怪しく、疑わしく感じられたため、アニメ業界や光通信の向こうの誰かに何かを奪われているのではないか・洗脳されているのではないか・操作されているのではないか・超能力で何かをされているのかと本能で感じ、因果関係の分かりづらい方法で攻撃され、自傷行為や異常行為をさせられているのだと思い、超感覚に対して最強以上超越の抵抗をしようと思ったためだ。
- 加藤組之の瞑想の理由三つ目は2010年10月までの監禁中の暗闇に光をたくさん見たため、「この光は脳が監禁されていると判断し、外部に救助を求めるために通信をしているのではないか。もしも暗闇や瞼の裏に見える光を強力に持続し、『助けて』と言うと助けてもらえるかもしれない」との仮説を立て、実際に瞑想中に強力な光が主観体験に持続するようにしようとしたためだ。
- 加藤組之の瞑想の四つ目の理由はインターネットで得た情報に「フィクション・宗教・公害・畜産に使われるクオリア(主観体験の感覚質)・脳細胞内データ・認識や訓練や宣言・他者との因縁確保のために、フィクション・宗教・公害・畜産の洗脳・詐欺・脅迫・威力などによって引きこもり、監禁されクオリアを奪われている立場」が文化依存症候群との記述があり、謎の超不快感を感じたためどうしても否定しようと思って、部屋の中からすべての物を捨ててみたためだ。
- 部屋の中に情報源が自分と部屋と部屋に残された気にしなかった家具等以外なかったため、もしもアニメ業界や瞼の裏に光が見えるときの脳への通信者が加藤組之に超能力で何かしている場合、兆候を捉えられるのではないかと仮説を立て、自身の様子を観察し、謎の不条理やハードプロブレムの謎に挑み、解こうと思った。
- 25日間ホモ・サピエンスの主観体験に見える場合がある光の視認が長く継続するようにした結果、実験は結局成功し、ホモ・サピエンスの主観体験に光が見えているとき、他の脳と通信しているように見える現象が観測された。
続く。今日は寝よう。